頻度 よくみる
治療のポイント
・すみやかに原因疾患を特定し,原因に対する治療を検討する.
・緊急を要する疾患を鑑別し,必要なら早急に専門医にコンサルトする.
◆病態と診断
・悪心は上腹部から前胸部の不快感で主観的な感覚であり,嘔吐は胃・十二指腸などの内容物を逆流させ口腔内から外に出そうとする現象である.中枢性,末梢性に分けて考える.
・中枢性:悪心,嘔吐に関連する中枢は延髄外側網様体と,第4脳室底の化学受容体である.この中枢部に何らかの刺激があれば発症する.原因としては脳圧亢進(脳血管障害,脳炎など),化学受容体を刺激する薬剤などがある.
・末梢性:内臓からの刺激が自律神経を介して中枢に伝達され発症する.原因としては消化器疾患,循環器疾患(心筋梗塞など),前庭障害(メニエール病など),代謝疾患(ケトアシドーシスなど)などがある.
◆治療方針
原因疾患を特定することが重要であり,中枢神経系疾患や重篤なケト
関連リンク
- 治療薬マニュアル2024/メトクロプラミド《プリンペラン》
- 治療薬マニュアル2024/ドンペリドン《ナウゼリン》
- 治療薬マニュアル2024/モサプリドクエン酸塩水和物《ガスモチン》
- 治療薬マニュアル2024/イトプリド塩酸塩《ガナトン》
- 治療薬マニュアル2024/アコチアミド塩酸塩水和物《アコファイド》
- 治療薬マニュアル2024/(合剤)ジフェンヒドラミン・ジプロフィリン《トラベルミン》
- 治療薬マニュアル2024/プロクロルペラジン《ノバミン》
- 今日の治療指針2024年版/スルピリン
- 今日の治療指針2024年版/ロートエキス
- 今日の治療指針2024年版/ジフェンヒドラミンサリチル酸塩・ジプロフィリン
- 新臨床内科学 第10版/【1】悪心・嘔吐