治療のポイント

・超音波内視鏡（EUS：endoscopic ultrasonography）を用いた治療（IV-EUS：interventional EUS）の発展がめざましい．

・さまざまな治療の選択肢に精通し，症例に応じた最適な治療方法を選択する必要がある．

・外科的治療や経皮的治療も含めた「次善の策」を常に用意して治療に臨むべきである．

A胆道疾患

1．急性胆管炎・急性胆嚢炎（→，「急性胆管炎，急性胆嚢炎」の項参照）

　抗菌薬の治療と併せて，胆道ドレナージ（→，「胆管ドレナージ法」の項参照）が行われる．急性胆嚢炎に対しては，経皮経肝的胆嚢ドレナージ（PTGBD：percutaneous transhepatic gallbladder drainage）が第1選択とされることが多いが，近年では内視鏡的逆行性胆管膵管造影（ERCP：endoscopic retrograde cholangiopancreatography）による経乳頭的胆嚢ドレナージ（ETGBD：endoscopic transpapillary GBD）やIV-EUSによる胆嚢ドレナージ（EUS-GBD：EUS-guided GBD）も選択肢となる．

2．胆管結石〔→，「胆嚢結石症，総胆管結石症（内科）」の項参照〕

　内視鏡的乳頭切開術（EST：endoscopic sphincterotomy）が第1選択であるが，出血素因のある患者などでは内視鏡的乳頭バルーン拡張術（EPBD：endoscopic papillary balloon dilation）も行われる．下部胆管拡張のある大結石に対しては，胆管径に合わせた大径バルーンを用いて拡張を行うEPLBD（endoscopic papillary large balloon dilation）が有効である．

　胆管拡張に乏しい症例では結石破砕が必要になるが，破砕用