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GL肝硬変診療ガイドライン2020
治療のポイント
・栄養評価と,病態に応じた適切な栄養介入は治療の基本である.医師は肝性浮腫,腹水貯留,筋けいれん,瘙痒症,など肝硬変の合併症状に対してアセスメントを行うとともに,管理栄養士と連携し,適切な栄養指導,補充療法,対症治療を行う.
・栄養療法および腹水の診断治療は,日本消化器病学会・日本肝臓学会による「肝硬変診療ガイドライン2020」のフローチャートを参考にする.
・肝硬変でみられるサルコペニアの進行を予防するため必要とされる十分量の蛋白質の補給に努める一方で,肝性脳症のリスクのある患者には蛋白不耐症の合併に留意する.
◆病態と診断
・非代償性肝硬変は,黄疸,肝性浮腫/腹水,肝性脳症,特発性細菌性腹膜炎(SBP:spontaneous bacterial peritonitis),食道・胃静脈瘤出血などの肝不全徴候を示す肝硬変であり,Child-Pugh分類class BまたはCに相当する.
・非代償性肝硬変の病態は,肝細胞数の減少と肝線維化の進行,それに伴う肝予備能の低下と門脈圧亢進症の状態,および合併症で規定される.
・エネルギー・蛋白低栄養(PEM:protein-energy malnutrition)やサルコペニアを高頻度に合併する.そのため,栄養状態に留意し,管理栄養士との連携のもと,食事摂取状況の聞き取りと栄養指導,サルコペニアの評価を定期的に実施する.入院患者は栄養サポートチーム(NST:nutrition support team)への相談が望ましい.
・肝性脳症は,肝硬変に伴う肝代謝の低下のほかに,門脈圧亢進症に伴う側副血行路の形成,便秘あるいは腸内細菌叢の変化など,さまざまな要因が複合的に絡み発症する.高アンモニア血症を伴うが,その病態を理解することが適切な治療につながる.
◆治療方針
不足している栄養素を補
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