治療のポイント
・慢性肝炎では生活指導における制限は特にない.
・代償期肝硬変であっても,サルコペニア予防のための継続的な軽い運動は推奨される.
・非代償期肝硬変では,さまざまな合併症併発のリスクがあり,厳格な生活指導が必要である.
・肝疾患の病期全範囲にわたり,禁酒,十分な睡眠,食後の安静などは指導する必要がある.
A慢性肝炎患者の生活指導
飲酒は病態進行の原因となり,肝発癌のリスクを高めるといわれており,禁酒が望ましい.食事についてはいわゆる「栄養バランスのよい食事」(農林水産省https://www.maff.go.jp/j/balance_guide/)」であれば,特に制限を設ける必要はない.門脈血流維持のため,食後1~2時間は安静にし,入浴しないことを指導する.
運動については,特に制限を設ける必要はないが,「心地よい疲れ」を感じる程度の運動量が望ましい.相対的運動強度にすると60%程度で