診療支援
治療

遺伝性尿細管疾患(尿細管性アシドーシス・バーター/ギッテルマン症候群・腎性尿崩症)
inherited tubulopathies:renal tubular acidosis,Bartter/Gitelman syndrome,nephrogenic diabetes insipidus
幡谷浩史
(地方独立行政法人東京都立病院機構 東京都立小児総合医療センター・総合診療科部長)

Ⅰ.尿細管性アシドーシス

頻度 あまりみない

治療のポイント

・アシドーシス補正後も低K血症が存在する場合はK製剤を補充する.

・病型によっては成長障害や腎石灰化を合併し,治療介入で予防できる.

◆病態と診断

A病態

・尿細管性アシドーシス(RTA:renal tubular acidosis)は尿細管の酸排泄障害により,アニオン・ギャップ正常の代謝性アシドーシスを呈する.

・遺伝性RTAは遠位尿細管H 排泄障害(Ⅰ型),近位尿細管HCO3- 再吸収能低下(Ⅱ型),混合型(Ⅲ型),アルドステロン欠乏や作用不全による遠位尿細管K・H 排泄障害(Ⅳ型)に分類される.

B診断

・下痢がなく,腎機能が保たれ,アニオン・ギャップ正常,高Cl血性代謝性アシドーシスが存在するときに疑う.

・Ⅱ型では他のイオンチャネル異常の合併(特にファンコニ症候群)を見逃さない.

・確定診断は遺伝学的検査による.

◆治療方針

 アシドーシス

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