Ⅰ．高Mg血症

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治療のポイント

・腎機能低下に加えて，マグネシウム（Mg）上昇をもたらす薬剤などを使用することによってリスクが高くなるため注意をする．

・高度の心臓伝導障害や徐脈，呼吸筋麻痺，意識障害などを認める場合はグルコン酸カルシウム投与のうえ，緊急でMgを除去する治療を行う．

◆病態と診断

・血清Mg濃度2.4mg/dL以上で診断される．

・Mgの主たる排泄経路である腎臓の機能低下に加えて，下剤などのMgが過剰負荷されることによって起きることが多い．

・高Mg血症が高度の場合，不整脈（心臓伝導障害や徐脈など），神経症状（意識障害など），筋症状（呼吸筋麻痺など）などの重度の症状をきたすことがあり，緊急処置が必要である．

　通常は無症候性であることが多く，Mg負荷となる薬剤などを中止して，Mg濃度を慎重にモニタリングする．必要であれば，フロセミドは腎臓からの排泄を促進するため有用な場合がある．

　高Mg血症で重度の症状がある場合はグルコン酸カルシウムを静注のうえ，血液透析を考慮する．緊急の専門医への相談が必要である．

Px処方例

　グルコン酸カルシウム（カルチコール薬）注　1回10～20mL　10分程度かけて静注保外

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治療のポイント

・低Mg血症によって，循環器系，神経・筋肉系の症状が起きる．

・低K血症に伴うこともあり，注意が必要である．

・薬剤や食事摂取不良などの原因を検索し，除去する必要がある

・血清Mg濃度1.8mg/dL以下で診断される．

・摂取不良・吸収障害，腎排泄亢進に加えて，薬剤による低Mg血症を鑑別に挙げる必要がある．原因薬剤としてはMg腎排泄を亢進する利尿剤などに加えて，プロトンポンプ阻害薬が知られている．

・低Mg血症が高度になると，心室性不整脈などの循環器系，脱力やけいれんなどの神経系の重度の症状が出現するので注意が必要