◆病態と診断
A病態
・血液中のHCO3- 濃度が上昇することによりpHが上昇した状態である.代償性の低換気によりPCO2 が上昇する.代謝性アルカローシスは酸(H+)の喪失かアルカリ(HCO3-)の増加によるが,Cl反応性の有無で細胞外液量(Cl)の減少を伴うものと伴わないものの2つに大きく分けられる(図).
・低K血症を併存する病態が多い.低K血症自体がアルカローシスを助長することから,低K血症も治療対象となる.
B診断
・代謝性アルカローシスの診断は血中の重炭酸イオン(HCO3-)濃度が上昇していることを示す.原則として直接測定(生化学による重炭酸塩)か血液ガス分析による採血が必要である.血液ガス分析を行う際,動脈採血と静脈採血では前者のほうがHCO3- 濃度が2mEq/L程度低下している点に留意すべきである.
・日本では慣習的に血液生化学検査で重炭酸塩を測定しないため,「Na-Cl」から酸塩基
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