診療支援
治療

糖尿病の食事指導
dietary management of diabetes care
脇 裕典
(秋田大学大学院教授・代謝・内分泌内科学)

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GL糖尿病治療のエッセンス 2022年版

GLコンセンサスステートメント 糖尿病患者の栄養食事指導―エネルギー・炭水化物・タンパク質摂取量と栄養食事指導―(2020)

GL糖尿病治療ガイド2022-2023

治療のポイント

・患者自身が糖尿病の病態を理解し,適切な食事療法を行うよう支援する.

・腹八分目とし,ゆっくりよく噛んで食べる.

・食品の種類はできるだけ多く,バランスよく摂取する.

・動物性脂肪(飽和脂肪酸)は控えめにする.

・食物繊維を含む食品を多く摂る.

・朝食,昼食,夕食を規則正しく摂る.

・肥満がある場合には,現体重から3%の減量を目指す.

・目標体重は年齢,病態によって異なることを考慮し,個別化をはかる.

・高齢者ではフレイル,ADL,体組成を評価し,個別化をはかる.

◆病態と診断

A病態

・糖尿病は,膵β細胞のインスリン分泌能低下と,肝臓や筋肉,脂肪組織などにおけるインスリン抵抗性増大が相まってインスリンの相対的な作用不足が生じることにより発症する.食事療法で適切な栄養素を適切な量で摂取することにより膵β細胞への負荷が軽減されるほか,体重過多を改善することによりインスリン抵抗性が軽減される.

B診断

・患者の食事の様子は,朝,昼,夕,間食や嗜好品に分けて,具体的にどのような品目をどの程度の量食べているか聴取する.

・BMI〔体重(kg)/身長(m)2〕が25以上は肥満であり,インスリン抵抗性を想定する.

・高齢者ではフレイル,基本的日常生活動作の低下,体組成による筋量減少に注意する.

◆治療方針

A食事療法の進め方

1.目標体重(kg)

 身長(m)2×22~25(目標BMI)で計算される.目標BMIは65歳未満では22,65歳以上の高齢者では22~25とする.BMIが25 kg/m2 以上の肥満のある人の目標体重は,現体重の3%減少とする.目標体重は年齢,病態によって異なることを考慮し

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