頻度 あまりみない
治療のポイント
・発作予防には,誘因の回避に加えて,δ-アミノレブリン酸(ALA)合成酵素(ALAS)を標的としたsiRNA製剤であるギボシランナトリウムの皮下注が有効である.
・急性発作時には,10%ブドウ糖液とヘム製剤であるヘミンの点滴静注を行う.
◆病態と診断
A病態
・ヘム合成にかかわる8つの酵素のうち,3番目のポルフォビリノーゲン(PBG)脱アミノ化酵素(PBGD:porphobilinogen deaminase)の遺伝子異常が原因となる.
・PBGDの酵素活性の低下は,最終産物であるヘムの低下を引き起こし,ヘム合成の律速酵素であるALAS(aminolevulinic acid synthase)の機能亢進をもたらす.その結果,中間産物であるALAやPBGが蓄積し,急性の内臓神経発作や慢性臓器障害を引き起こす.
・常染色体優性遺伝だが,すべての保因者が発症するわけではない
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