◆病態と診断

A病態

・骨軟化症は，骨石灰化障害により石灰化していない類骨が増加した病態である．

・多くが慢性の低P血症により，代表的な病態として，ビタミンD欠乏症，FGF23関連くる病・骨軟化症，ファンコニ症候群がある．

・薬剤性では，含糖酸化鉄，抗けいれん薬，核酸アナログ製剤などがある．

・くる病は成長軟骨帯が閉鎖する前に発症するもので，骨石灰化障害という病因は同一である．

・疼痛，筋力低下を訴える患者では一度は血中のCa，Pを測定し，低P血症（空腹時）の存在，アルカリホスファターゼ高値から骨軟化症を強く疑う．

・骨シンチグラフィで肋軟骨などへの多発集積が特徴的である．

・鑑別診断として，尿中へのP排泄亢進の有無，FGF23を測定する．

・ビタミンD欠乏症では，尿中P排泄の亢進なく，FGF23も抑制される．25水酸化ビタミンD低値，極度の偏食や日光を浴びないなどの生活習慣を聴取する．

・FGF23関連低P血症性骨軟化症では，尿中P排泄の亢進を認め，FGF23が抑制されない．

　骨軟化症の治療の目的は，骨石灰化障害を改善し，疼痛をコントロールすることである．

　本来は天然型ビタミンDの補充であるが，医薬品として処方できないため，活性型ビタミンD製剤を処方する．

Px処方例

　アルファカルシドール（アルファロール薬）カプセル　1回1～2μg　1日1回　自覚症状，P，ALPをモニターしながら適宜増減する（最高用量1日4μg）

Px処方例　