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GL脳卒中治療ガイドライン2021[改訂2023]
GL静注血栓溶解(rt-PA)療法 適正治療指針 第三版(2019)
GL経皮経管的脳血栓回収用機器 適正使用指針 第4版(2020)
ニュートピックス
・虚血が広範囲に及ぶ主幹脳動脈閉塞を有する急性期脳梗塞への,機械的血栓回収療法の有効性と安全性が,国内多施設共同試験RESCUE-Japan LIMITによって証明された.
・血栓性脳梗塞患者の再発予防に,プラスグレルが使用可能になった.
治療のポイント
・脳梗塞の発症が疑われた患者は,すみやかに専門医療機関に搬入する.各医療機関は搬入後すみやかに診療を開始し,脳卒中(ケア)ユニットで患者を管理する.
・静注血栓溶解療法は,発症4.5時間以内で慎重に適応判断された患者に強く勧められる.MRIのFLAIR陰性所見に基づいて,発症時刻不明患者にも同治療を考慮できる.
・機械的血栓回収療法は,神経徴候と画像診断に基づいて治療適応を判定したうえで,発症24時間以内まで実施可能である.
・脳梗塞病型に応じて,急性期抗血小板療法,ないし抗凝固療法を行う.
・脳卒中(ケア)ユニットで,早期から積極的なリハビリテーションを行う.
◆病態と診断
A病態
・脳梗塞は救急疾患である.
・脳梗塞は,頸部・脳動脈の閉塞ないし狭窄によって脳組織が虚血に陥り,機能障害を起こす病気である.
・頸部・脳の主幹動脈の粥状硬化によるアテローム血栓性脳梗塞,脳の細小動脈(穿通枝)の閉塞によるラクナ梗塞,心臓内に形成された,または心臓を通過した血栓が頸部・脳動脈を突然閉塞させて生じる心原性脳塞栓症,およびそれ以外の脳梗塞に大別される.
・脳の障害部位が携わっていた機能に該当する局所神経症候が突然発症する.主な局所症候として,運動障害(特に片麻痺),言語障害(失語,構音障害),感覚障害,失調,視覚に関する障害(視野障害,複視),失行,
関連リンク
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