GL脳卒中治療ガイドライン2021[改訂2023]
治療のポイント
・急性期血行再建は時間との闘いであり,一刻も早い診断と治療が重要である.
・急性期血行再建の対象は脳主幹動脈急性閉塞であり,ステントリトリーバーまたは血栓吸引カテーテルを用いた機械的血栓回収療法(血管内治療)を行う.
・亜急性期の進行性血行力学的脳虚血に対しては,バイパス術を行うことがある.
・頸部内頸動脈狭窄症における脳梗塞予防として,血栓内膜剥離術あるいはステント留置術(血管内治療)を行う.
・脳梗塞を発症した頭蓋内主幹動脈閉塞・狭窄症で著明な脳血流低下を有する場合,再発予防として慢性期にバイパス術を考慮する.
◆治療方針
A機械的血栓回収療法
発症早期の脳主幹動脈〔内頸動脈または中大脳動脈近位(M1)部〕急性閉塞で,①発症前のmodified Rankin Scale(mRS)スコアが0または1(自立),②頭部CTまたはMRI拡散強