診療支援
治療

脳動脈解離
cerebral artery dissection
猪原匡史
(国立循環器病研究センター・脳神経内科部長(大阪))

頻度 ときどきみる

ニュートピックス

・ビタミンK拮抗薬とアスピリンの間で臨床的アウトカム(虚血性脳卒中,主要な頭蓋外および頭蓋内出血,死亡)とMRIアウトカム(新たな虚血性または出血性病変)の複合アウトカムを比較したTREAT-CAD試験において,アスピリン群はビタミンK拮抗薬群に対して非劣性を証明できなかった.

治療のポイント

・脳動脈解離が頭蓋内か頭蓋外かによって治療方針が異なる.

・虚血発症の頭蓋外動脈解離では,急性期に抗血栓療法を行うが,抗凝固療法と抗血小板療法のいずれの選択も妥当とされている.

・虚血発症の頭蓋内動脈解離でも抗血栓療法を考慮してもよいが,解離部に瘤形成が明らかな場合はくも膜下出血のリスクがあり,抗血栓療法は行うべきではない.

・抗血栓療法は3~6か月の継続を目安とするが,3か月ごとに解離部の画像検査を行い,瘤形成などの経時変化がないか確認する.

◆病態と診断

A病態

・脳動脈解離は

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?