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GLてんかん診療ガイドライン2018
ニュートピックス
・術前検査では定位的頭蓋内脳波記録(SEEG)とロボット支援下SEEG電極植込術が急速に普及しつつある.
・外科治療を施行する高度専門施設として全国に包括的てんかん専門医療施設が設置されつつある.
・頭蓋内植込型電気刺激療法の導入が近づいている.
治療のポイント
・薬剤抵抗性てんかんは早期に専門施設へ紹介し,外科治療を検討する.
・特に側頭葉てんかん,MRI限局性病変に伴う焦点てんかん,小児てんかんでは根治的焦点切除術の効果が高く,早期から積極的に外科治療を検討する.
・上記以外のてんかんでもQOLの向上が得られる可能性があり,手術適応検討から除外しない.
◆病態と診断
・2種類以上の適切な抗てんかん薬治療に対し,1年以上または治療前発作間隔の3倍以上の期間の発作寛解が得られない場合,薬剤抵抗性てんかんとして外科治療を検討する.
・小児では不可逆性発達障害を防ぐため,より早期の外科治療を考慮する.
・年齢を問わずMRI限局性病変や側頭葉てんかんは術後転帰が良好である.
・基本的な術前検査は,発作症候解析,MRI,複数回脳波や長時間ビデオ脳波同時記録.核医学検査,脳磁図も有用.
・検査精度を高めるために必要に応じて,一時的に頭蓋内電極を植え込み,数週間,頭蓋内脳波を記録し脳機能マッピングを行う.ロボット支援下に複数の脳内深部電極を植込む方法〔ロボット支援下SEEG(stereo electroencephalography)電極植込術〕が普及しつつある.
・術前検査で切除可能なてんかん焦点が絞り込めれば根治目的に焦点切除(または焦点離断)術を,そうでなければ緩和的治療による発作減少や発作軽症化によるQOL改善を目指す.
◆治療方針
Aてんかん焦点切除術
1.定型的切除術
側頭葉てんかんに対する側頭葉切除術は推奨治療で,特に海馬硬化症での有効性