診療支援
治療

フィッシャー症候群
Fisher syndrome(FS)
海田賢一
(埼玉医科大学総合医療センター教授・脳神経内科)

頻度 あまりみない

GLギラン・バレー症候群,フィッシャー症候群診療ガイドライン2013

治療のポイント

・ギラン・バレー症候群の亜型であり,治療法もギラン・バレー症候群に準じる.

・治療の目的は早期回復と重症化予防であり,急性期にすみやかに開始する.

・独歩可能で眼症状も軽度であれば,経過観察のみでよい場合もある.

・脳血管障害をはじめとする他疾患との早期鑑別が重要である.

◆病態と診断

A病態

外眼筋麻痺運動失調腱反射消失を三徴とするが,瞳孔異常,顔面神経麻痺,球麻痺を伴うことがある.

・外眼筋麻痺のみ,運動失調と腱反射消失のみの不全型も存在する.

・90%で血清IgG抗GQ1b抗体が陽性であり,診断マーカーとなる(抗体測定は保険適用).

・多くの場合,発症後6か月で運動失調,外眼筋麻痺は消失する.

B診断

・80%に上気道感染を主とする先行感染がみられる.

・複視,運動失調は急速進行性であるが,突発完成型の

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