診療支援
治療

群発頭痛
cluster headache
柴田 護
(東京歯科大学市川総合病院教授・神経内科)

頻度 ときどきみる~よくみる

GL頭痛の診療ガイドライン2021

ニュートピックス

・反復性群発頭痛の発作予防にガルカネズマブ300mg/月の有効性が実証された(わが国では未承認)(N Engl J Med 381:132-141,2019).

・海外では非侵襲的迷走神経刺激術などのニューロモデュレーションが導入されている(JAMA Neurol 80:308-319,2023).

・ベラパミルにプレドニゾロンを加えることで発作予防効果が高まることが実証された(Lancet Neurol 20:29-37,2021).

治療のポイント

・急性期治療の第1選択はスマトリプタン皮下注と高濃度酸素吸入.

・発作予防療法は一般にベラパミルとステロイドの併用で施行する.

◆病態と診断

A病態

・生物時計機能などの視床下部機能異常と三叉神経-副交感神経系の異常活性化に加えて,カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP:calcitonin gene-related peptide)が関与.

B診断

一側性の激しい頭痛頭部副交感神経機能亢進Horner徴候の組み合わせで疑い,頭部MRIなどで器質的疾患を除外

・群発期には発作が連日のように起こる.発作持続時間は多くの場合60分以内.「国際頭痛分類 第3版」の診断基準を満たすことを確認.

・発作が1年以上発現し,寛解があっても3か月未満の場合は慢性群発頭痛であり,一般に治療抵抗性.

◆治療方針

 発作をすみやかに頓挫させる急性期治療と,発作発現を抑制する予防療法に分けられる.群発期には禁酒させる.

A急性期治療

Px処方例 下記のいずれかを用いる.

1)スマトリプタン(イミグラン)キット皮下注 1回3mg 皮下注.1時間以上あけて追加投与が可能(1日2回まで)

2)高濃度(90%以上)酸素 7L/分で15分間吸入.在宅酸素療法の保険適用が認められている.酸素濃縮装置を自宅に

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