診療支援
治療

修正型電気けいれん療法
modified electroconvulsive therapy
諏訪太朗
(京都大学大学院 病院講師・精神医学)

治療のポイント

・現代の電気けいれん療法(ECT)は一般のイメージとは異なり,精神神経科領域における安全かつ効果的な治療である.

・主な適応は重症の抑うつエピソードである.妄想や不安焦燥が激しく一見認知症のようにみえる例,食欲低下や希死念慮が強く緊急性を要する例にしばしば著効する.

・基本的に入院環境,全身麻酔下で行われ,急性期治療では1回30分程度の治療が週2~3回の頻度で6~12回程度行われる.

・うつ病に対する新規のニューロモデュレーションとして経頭蓋反復磁気刺激(rTMS)が本邦で2019年に保険収載された.rTMSでは磁気を用いて左前頭部を反復刺激する.1回1時間程度の治療を週5回,4~6週継続するのが通常である.rTMSにはECTとは異なり全身麻酔と筋弛緩を要さず,認知機能障害も少ないというメリットがある一方,適応はうつ病(抗うつ薬の効果が乏しいもの)に限られ,現状ではECTよりも効果

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