ニュートピックス
・現在一般的に使用される抗精神病薬は第2世代,あるいは非定型抗精神病薬とよばれ,気分安定作用を有する薬剤が多い.そのため精神症症状を呈し,行動化が認められた患者は病名を問わず少量から投与されることが多い.
治療のポイント
・まず器質因子(脳炎や脳腫瘍など頭蓋内病変や全身性エリテマトーデス,甲状腺機能亢進・低下など),あるいは物質誘発性(各種覚醒剤やステロイドなど)を否定する.
・妄想や幻覚が主たる症状の場合,頭ごなしに否定することはせずに医師-患者間の信頼関係構築に努める.苦労している家族をねぎらうと同時に専門医への紹介はためらわずに行う必要がある.時に強制的な入院が必要なこともある.
◆病態と診断
・前述の統合失調症の類縁の疾患で,統合失調症に比して以下にまとめられる特徴を有する疾患群である.
1)決められた日数に満たない:急性一過性精神病;1日以上1か月未満,統合失調様症;1か月以