治療のポイント
・過眠症治療のポイントは,生理的に必要とされる睡眠時間より睡眠機会が過少であることにより生じる睡眠不足が原因か,中枢神経系の障害により生じる過眠であるかを適切に鑑別することである.
・中枢神経刺激薬による治療は,診断が確定し,流通管理上許可された疾患にのみ,必要最小量で行う.
Ⅰ.ナルコレプシー
頻度 ときどきみる
◆病態と診断
・日中の耐え難い眠気と,突然眠り込む睡眠発作に加え,典型的には情動脱力発作(カタプレキシー:怒り,笑いなどの感情の昂りに伴い四肢・体幹の筋力が脱力する),入・出眠時幻覚,睡眠麻痺(金縛り)などのレム関連症状を伴う【ナルコレプシー・タイプ1】.
・情動脱力発作を伴わない亜型が典型例の4~5倍多く存在する【ナルコレプシー・タイプ2】.
・終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG:polysomnography)で,他の過眠の原因となる睡眠障害および睡眠不足が除外されたうえで,反
関連リンク
- 治療薬マニュアル2024/モダフィニル《モディオダール》
- 治療薬マニュアル2024/メチルフェニデート塩酸塩《リタリン》
- 治療薬マニュアル2024/ペモリン《ベタナミン》
- 治療薬マニュアル2024/クロミプラミン塩酸塩《アナフラニール》
- 治療薬マニュアル2024/炭酸リチウム《リーマス》
- 今日の治療指針2024年版/レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)
- 今日の治療指針2024年版/睡眠障害(不眠)
- 今日の治療指針2024年版/睡眠時驚愕症(夜驚症)
- 新臨床内科学 第10版/2 反復性過眠症
- 今日の診断指針 第8版/睡眠障害(不眠症・過眠症)
- 今日の精神疾患治療指針 第2版/ナルコレプシー
- 今日の小児治療指針 第17版/睡眠関連疾患(不適切な睡眠衛生/概日リズム睡眠・覚醒障害群)