治療のポイント
・抗精神病薬による副作用は多彩であり,使用中に不調の訴えがあれば副作用を疑う.
・悪性症候群やQT延長,多飲水など生命予後に直結する副作用もある.
・基本対応は減量・中止・変薬だが,そうした対応が難しい場合や応急処置的な場面では副作用を緩和する薬剤を追加投与する.
・緊急時以外,抗精神病薬の調整は専門医にコンサルトする.
・D2 受容体遮断を作用機序とする制吐薬(プロクロルペラジン,メトクロプラミドなど)も同様の副作用が生じうる.
◆病態と診断
・錐体外路症状:診断にあたり視診や行動の観察および同居者よりの情報が重要である.
1)パーキンソン症状:入室時の歩行と姿勢,手指振戦は気づきやすい.
2)アカシジア:患者自身が下肢のムズムズした不快感を訴え足踏みなどを行う.焦燥感・不安と誤認される場合もある.
3)ジストニア:突然生じる筋緊張の異常な亢進(捻転やつっぱり,痙縮,異常な位置に固定される)
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