診療支援
治療

小児の肘関節周囲骨折
pediatric fracture around the elbow
岩部昌平
(済生会宇都宮病院・整形外科主任診療科長)

◆病態と診断

・転倒や転落で,手をつく,肘をつくなどの外傷で生じることがほとんどである.

・単純X線像()による骨折の検出には,多方向撮影や,対側との比較が有用である.

・骨折型・脱臼の診断には,正確な正側の2方向の単純X線像を撮影することが大切である.

・関節内血腫を反映したfat pad signだけが単純X線像の骨折の所見であることも多い.

・骨折型の同定や転位の程度の判定にはCTが有用である.

・軟骨部分の骨折の診断にはMRIや超音波診断装置が有用である.

A上腕骨顆上骨折

・小児肘関節周囲骨折で最も多い.遠位骨片が背側に転位する伸展型が大半を占める.

・転位の大きい骨折では,血管・神経損傷の可能性があり,あれば緊急処置を要する.

・上腕骨顆上骨折を疑う場合,まず麻痺や循環障害の有無を確認する.

・腫脹が強い場合,コンパートメント症候群の発生に注意が必要である.

B上腕骨外側顆骨折

・外側上顆から関節面に

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