診療支援
治療

手根管症候群
carpal tunnel syndrome(CTS)
川野健一
(東京都立病院機構東京都立広尾病院・整形外科部長)

治療のポイント

・患者の希望も考慮するべきであるが,軽症例では保存療法,重症例では手術治療を行うのが基本である.

・ほかの神経疾患との鑑別が必要である.

◆病態と診断

A病態

・手根管症候群とは,しびれなどの正中神経症状を呈する症候群である.その発生機序については,いまだ不明な点が多い.手根管内圧の上昇による絞扼性正中神経障害との説が有力であった.しかし近年,超音波検査所見などによる手根管内での正中神経の動的検討から,神経の不動化が発症に寄与している可能性も示唆されている.

・圧倒的に女性に多く,女性ホルモンとの関連も知られている.特発性(閉経後,妊娠時)の症例が大多数を占める.

・男性例や誘因が不明なものについては,腫瘍など手根管内占拠物の検索も必要.

・近年,手根管症候群とアミロイドーシスの関連性が指摘されている.手根管症候群が心アミロイドーシスに先行して発症する症例も多く,early red fla

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?