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◆病態と診断
A病態
・先天性の筋拘縮による筋性斜頸,後天性の頸部の炎症による炎症性斜頸,第1~2頸椎間が回旋位で固定された環軸椎回旋位固定に大別される.
・筋性斜頸の要因として分娩時の外傷説,胎内の姿勢異常,炎症や阻血など諸説あるが,一定の見解が得られていない.
・炎症性斜頸は,Grisel症候群や流行性耳下腺炎,リンパ節炎などが要因である.
・環軸椎回旋位固定は軽微な外傷や炎症を契機に第1~2頸椎が回旋位で固定される(図).
B診断
・筋性斜頸は,胸鎖乳突筋に腫瘤が出生後1週前後に出現し,生後3週程度で最大となり,頭部が患側(腫瘤側)に傾き,顔面が健側を向く.頭の形の左右差や顔面非対称を呈する場合がある.
・炎症性斜頸はさまざまな斜頸位をとる.頭頸部の臨床所見が重要となる.
・環軸椎回旋位固定は,左右どちらかに回旋し反対側へ側屈するコックロビンポジションをとる.可動域制限が強いことが多