頻度 ときどきみる
治療のポイント
・骨破壊が生じる前の早期診断と感受性のある抗菌薬の使用が,治療成績の向上につながる.
・易感染宿主では,原疾患のコントロールと栄養状態の改善も重要である.
◆病態と診断
A病態
・椎間板上下の椎体終板から感染がはじまり,椎体内に骨髄炎として波及することが多い.
・血行性感染が多く,若年の健常者よりも,高齢者,糖尿病患者,ステロイド使用者などの易感染宿主が罹患しやすい.
・進行例では骨破壊が進行し脊椎の支持機構が破綻する.さらに,腸腰筋膿瘍や硬膜外膿瘍を併発し難治性となる.
・結核菌の感染による脊椎炎は脊椎カリエスともよばれる.結核菌は通常の化膿性脊椎炎の起因菌よりも発育が遅い.
B診断
1.症状
・悪化の一途をたどる腰背部痛に,発熱,CRP上昇,白血球増加などの炎症所見を伴う場合には本疾患を疑う.
・化膿性脊椎炎に比べて脊椎カリエスでは症状が軽微で進行が緩徐なため,重症化してから