頻度 よくみる
GL尿路結石症診療ガイドライン2013年版
ニュートピックス
・腎尿路結石の原因となる常染色体潜性遺伝病の原発性高シュウ酸尿症に対して,RNA干渉による世界初の治療薬が欧米や欧州で承認された.
治療のポイント
・疝痛発作時の除痛,尿路感染など合併する病態の把握と処置(尿管ステント留置や腎瘻造設,抗菌薬).
・結石除去には保存的治療(排石促進)と積極的治療(手術)に加え,再発予防も重要である.
・結石成分が尿酸やシスチンの場合は,溶解療法も選択肢となる.
・再発率が高く,他疾患の内服薬なども含めた患者背景の把握,結石成分に応じた再発予防,原因があればその対応を行う.
◆病態と診断
A病態
・生活習慣病の1つである尿路結石症は,生涯に男性では7人に1人が,女性では15人に1人が罹患する,国民病といえる.
・結石形成の初期段階は依然として解明されていないが,Caやシュウ酸をはじめとした種々の尿中成分やpH,結石形成の阻止因子・促進因子が複合的に作用し,結晶形成・成長・凝集・固化などの過程を経て結石が形成されると考えられている.
B診断
・尿管結石急性期の主たる症状は疝痛(腎疝痛)と血尿である.
・痛みは,尿路閉塞に伴う腎盂内圧の上昇がその主因である.患側腰背部・側腹部を中心に下腹部から外陰部へ放散する場合もある.悪心・嘔吐を伴う場合もある.膀胱尿管移行部の結石では膀胱刺激症状(残尿感・排尿時痛)がみられることがある.腎結石での疝痛発作は少なく,血尿が多い.
・画像検査として全尿路単純X線撮影(KUB:kidney ureter bladder),腹部超音波断層法,排泄性尿路造影,CTが施行されるが,単純CTが最も確定診断のエビデンスレベルが高く,急性腹症の鑑別やX線陰性結石の描出にも有用である.
・血液・生化学検査や尿生化学検査を行い,Caや尿酸代謝異常や腎機能障害の有無,尿路感染の合併などを評価
関連リンク
- 治療薬マニュアル2024/ジクロフェナクナトリウム《ボルタレン》
- 治療薬マニュアル2024/ペンタゾシン《ソセゴン》
- 治療薬マニュアル2024/アセトアミノフェン(パラセタモール)《カロナール》
- 治療薬マニュアル2024/ウラジロガシエキス《ウロカルン》
- 治療薬マニュアル2024/猪苓湯
- 治療薬マニュアル2024/タムスロシン塩酸塩《ハルナール》
- 治療薬マニュアル2024/(合剤)クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム水和物《ウラリット》
- 治療薬マニュアル2024/アロプリノール《ザイロリック》
- 治療薬マニュアル2024/フェブキソスタット《フェブリク》
- 治療薬マニュアル2024/チオプロニン《チオラ》