Ⅰ.膀胱憩室
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治療のポイント
・残尿が少量で,結石・憩室内腫瘍や尿路感染がなければ,治療は不要である.
・前立腺肥大などの基礎疾患の治療後も多量の残尿や尿路感染の反復を認める場合は,膀胱憩室の治療適応となる.
◆病態と診断
A病態
・膀胱の固有筋層が部分的に菲薄化または欠失し,この脆弱化した部位の膀胱壁が,排尿時の膀胱内圧上昇に伴いヘルニア状に外方へ突出した状態を膀胱憩室という.
・高齢男性に多く,前立腺肥大症などの下部尿路通過障害が原因となる.
・憩室壁は筋層を欠くため排尿時に収縮できず,残尿量が増加する.
・憩室内に膀胱腫瘍を生じることがある.容易に壁外に進展しやすい.
・約10%は小児例で,尿管口の近傍・頭外側に発生する先天性のハッチ憩室や,後部尿道弁に伴う2次性の憩室がある.
B診断
・多くは無症状で,排尿困難などの下部尿路症状や尿路感染症の精査中に偶然指摘される.大きな憩室の場合,二段排尿