診療支援
治療

尿道腫瘍(尿道カルンクルを含む)
urethral tumor(including urethral caruncle)
藤本清秀
(奈良県立医科大学教授・泌尿器科学)

頻度 あまりみない〔尿道癌はきわめてまれ(全悪性腫瘍の1.0%未満).高齢者や女性に多い〕

治療のポイント

・性別,組織型,部位,病期によって治療方針を決定する.

・手術方法は解剖学的理由により男女で異なる.

Ⅰ.尿道腫瘍

◆病態と診断

A病態

・病因は尿道狭窄,慢性刺激,性感染症,尿道炎,反復尿路感染,放射線,尿道憩室などがある.扁平上皮癌はパピローマウイルス感染が示唆される.

・症状は,尿道狭窄による排尿障害尿道出血,血尿,尿道痛,腫瘤触知などである.

・男性の好発部位は球部・膜様部尿道(約60%)で,次に振子部(約30%),前立腺部(約10%)となる.

・尿路上皮癌が最も多く,次に男性は扁平上皮癌,女性は腺癌が多い.

B診断

・尿道出血や下部尿路症状を訴える高齢者では,局所視診と尿道膀胱鏡検査を行い,腫瘍を疑えば生検を行う.

・悪性と診断されたら画像検査を行う.

◆治療方針

 尿道癌は性別,組織型,発生部位,浸

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