頻度 よくみる
GL過活動膀胱診療ガイドライン[第3版](2022)
ニュートピックス
・頻尿をきたす代表的な病態の1つである過活動膀胱に関して,「過活動膀胱診療ガイドライン」の第3版が2022年9月に発刊された.
治療のポイント
・頻尿の原因疾患には膀胱癌や前立腺癌などが含まれるので,検査所見によっては専門医へコンサルトする必要がある.
・多量の残尿による機能的膀胱容量低下が頻尿の原因の場合もあるので,超音波検査による残尿測定の必要性は高い.
・水分摂取過剰による頻尿が少なくないので,生活指導の一環として患者に水分摂取を励行させる場合には,具体的な摂取量とその内容,1日尿量の目安をきちんと提示することが望ましい.
◆病態と診断
A病態
・1日8回以上,あるいは,2時間に1回以上の排尿を要する場合を頻尿とみなすことが多い.
・頻尿の病態としては,尿産生量の増加,機能的膀胱容量の低下,その双方がある.
・尿産生量の増加としては,多飲,多尿が代表的である.多飲に伴う多尿ではないと考えられる場合には,多尿をきたす内科的疾患の鑑別・治療が必要である.
・機能的膀胱容量の低下としては,膀胱自体あるいは膀胱外の機能的・器質的異常に伴うものがある.
・膀胱自体の異常としては,過活動膀胱や神経因性膀胱,細菌性膀胱炎,間質性膀胱炎,膀胱結石,膀胱癌などが挙げられる.なお,神経因性膀胱や特発性の排尿筋低活動では,残尿量の増加に伴う機能的膀胱容量の低下が頻尿の原因となっている場合があり,注意が必要である.
・膀胱外の異常としては,膀胱出口部閉塞が重要であり,男性では前立腺肥大症や前立腺癌,女性では骨盤臓器脱が代表的である.膀胱出口部閉塞においては,閉塞への代償機転として初期には膀胱の被刺激性亢進に伴う頻尿をきたすが,代償不全に陥ると残尿量の増加に伴う機能的膀胱容量低下による頻尿をきたす点に注意が必要である.このほかの頻尿の原