診療支援
治療

自己導尿法(清潔間欠自己導尿法)
clean intermittent(self-)catheterization(CIC)
皆川倫範
(信州大学講師・泌尿器科学)

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GL男性下部尿路症状・前立腺肥大症診療ガイドライン(2017)

GL女性下部尿路症状診療ガイドライン[第2版](2019)

GL二分脊椎に伴う下部尿路機能障害の診療ガイドライン[2017年版]

治療のポイント

・厳密な清潔操作は不要で,適切な間隔で導尿を継続することが重要である.

◆病態と診断

A病態

・脊髄損傷・糖尿病などによる神経因性膀胱(末梢神経障害)や前立腺肥大症により尿閉となるか,残尿を多量(100mL以上)に認めた場合に適応を検討する.

・通常の尿道留置カテーテルよりも感染症リスクを低減し,QOLを向上させる.

B診断

・問診,排尿日誌,残尿測定を基本とし,尿流測定,血液・尿検査,超音波検査などを組み合わせる.

・可能であればウロダイナミクス(尿流動態検査)を行う.

・以上の検査により重篤な排尿障害と尿路合併症(感染,結石,腎機能障害)の有無を確認する.

◆治療方針

 清潔間欠導尿(CIC:clean intermittent catheterization)の目的は,膀胱の過伸展と高圧蓄尿を防止するため,定時導尿を行うことである.その結果として,感染など合併症リスクの低減,患者の活動性・ADL・QOLの改善,膀胱機能の回復(リハビリテーション)が期待される.

A方法

1)10~14Fのカテーテル,消毒液,潤滑剤(ゼリーなど),清浄綿を基本セットとし,必要に応じて懐中電灯,鏡,計量カップ,排尿日誌を携える.

2)導尿の間隔は患者の状態(尿意の有無,膀胱容量,1日尿量)に依存する.

3)尿意がある場合,尿意に従って導尿する.

4)尿意が不十分な場合,定時で導尿する.膀胱萎縮がなければ,1回導尿量が300mL以下(1日4~5回)になるように定時導尿を行う.

5)カテーテルにはリユースとディスポーザブルがあって,形状・長さ・親水性コーティングなどを考慮して選択する.夜間多尿の場合,間欠式バルー

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