診療支援
治療

ケロイド,肥厚性瘢痕
keloid,hypertrophic scar
浅井 純
(京都府立医科大学大学院講師・皮膚科学)

頻度 ときどきみる

GL形成外科診療ガイドライン3 2021年版 創傷疾患

治療のポイント

・圧迫固定,ステロイド,トラニラスト,シリコンジェルシートなどの併用による保存的治療をまず行う.

・外科的治療は,整容面が著しく障害される例,関節の可動域制限や重度の拘縮をきたす例において,保存的治療により改善がみられない場合に考慮する.

・ケロイドに対して外科的治療を行う際には,術後放射線治療を併用する.

◆病態と診断

・肥厚性瘢痕,ケロイドは,真皮に創傷治癒機転が働いた際に続発する反応性の疾患である.線維芽細胞や血管の過剰な増生によって皮膚が硬く隆起する.瘙痒自発痛圧痛を伴うことがある.

・元来の創の範囲を超えないものを肥厚性瘢痕,超えて拡大するものをケロイドとよぶ.

・肥厚性瘢痕は数年以内に自然退縮する傾向にあるが,ケロイドは自然退縮傾向に乏しい.

◆治療方針

 まず保存的治療を試みる.整容的,機能的な改善が保

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