診療支援
治療

新生児の非侵襲モニタリング
noninvasive monitoring in the newborn
水本 洋
(田附興風会医学研究所北野病院・小児科新生児部門主任部長(大阪))

ポイント

・集中治療中の児の状態を客観的・連続的に評価できる生体モニタリングは重要で,極低出生体重児においても安全に使用できる機器も増えている.

A呼吸

 経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)は,有害となりうる酸素を過不足なく使用するため,個別に管理目標域を設定する.血液ガス以外の二酸化炭素分圧評価法には,非挿管や高頻度振動換気法(HFO:high frequency oscillatory ventilation)でも使用できる経皮的二酸化炭素分圧(TcPCO2)や,末梢循環の影響を受けずリアルタイムで評価可能な呼気終末二酸化炭素分圧(EtCO2)がある.人工呼吸管理中にグラフィックモニタを使用すれば気道内圧,フロー,換気量などが視覚化され,計画外抜管や閉塞などの問題にも迅速に対応できる.NAVA(neurally adjusted ventilatory assist)の呼吸補助トリガーに用いられる横隔膜電気的活動(Edi:electrical activity of the diaphragm)は努力呼吸の指標としても有用である.

B循環

 観血的動脈血圧測定装置は連続的血圧モニタリングや頻回の血液ガス測定に用いられる.末梢循環の指標としてパルスオキシメータの表示するPerfusion Index値や,心電図のR波から末梢脈波出現までの時間(plethysmo time interval)が参考になる.4か所に貼付した心電用電極から心拍出量を測定する電気的心拍出量モニタは新生児にも使用できる.

C脳機能

 aEEG(amplitude-integrated EEG)は脳波の振幅変化の傾向から脳の成熟度や障害の程度を判定でき,新生児発作の発見にも有用である.近赤外分光法(near-infrared spectroscopy)によって脳循環酸素代謝の変化をとらえることができる.

Dその他

 

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