診療支援
治療

呼吸窮迫症候群
respiratory distress syndrome(RDS)
大曽根義輝
(千葉大学医学部附属病院・周産母子センター長)

頻度 ときどきみる(出生10万対年間10人前後)

治療のポイント

・本症は進行性の疾患(下記「A病態」参照)なので,診断確定後はすみやかに肺サーファクタント(以下,PSF)製剤を肺内投与することが肝要である.

◆病態と診断

A病態

・本症は,早産に伴うⅡ型肺胞細胞でのPSF産生不足により,肺胞虚脱が起こることによる呼吸障害として発症する.したがって未熟性が強い(在胎週数が若い)児ほど多発する.その発症率は在胎28週では約85%,在胎24週では95%まで上昇する.

・肺胞虚脱は肺胞腔内への血漿成分の漏出をもたらし,肺硝子膜形成からさらなる肺胞換気不全となる.

・肺胞虚脱による肺胞灌流不全・低酸素血症は肺血管収縮をもたらし,さらに肺胞灌流不全を悪化させる.

・肺胞虚脱をすみやかに改善させなければ,時間とともに呼吸障害は進行する.

B診断

・早産児で生後早期から存在する呼吸障害(低酸素血症,陥没呼吸,呻吟など)から

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?