診療支援
治療

小児の輸液・経口補水
intravenous fluid and oral rehydration therapy in children
加藤宏樹
(国立成育医療研究センター・手術・集中治療部集中治療科(東京))

頻度 よくみる

治療のポイント

・「是正輸液療法」を行う場合,代償性ショック/低血圧性ショックに注意する.

・軽度~中等度の脱水の際には経口補水療法も検討する.

・小児は成人と比較して低血糖のリスクが高いことを認識する.

◆病態と診断

・臨床の現場で行われることが多い「是正輸液療法」(現時点で不足している水・電解質を補充する療法)について解説する.

を用いて脱水の重症度を「軽度」,「中等度」,「高度」のいずれかに分類する.

・子どもの低血圧は見逃されやすいため,中等度~高度脱水かつ具合が悪い子どもでは必ず血圧を測定する.

◆治療方針

 脱水の重症度に応じて治療方針を選択する.特に低血圧性ショックは心停止が迫っている緊急事態であり,輸液の急速投与を躊躇せずに行う必要がある.

 小児は成人と比較して低血糖のリスクが高く,重症度の高い脱水では必ず血糖値を測定する.小児の低血糖の基準は「血糖値60mg/dL以下」と

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?