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GL小児呼吸器感染症診療ガイドライン2022
治療のポイント
・子どもを泣かせたり,興奮させないように注意する.
・重症度を迅速に判断して適切な介入を行う.
・治療効果の判定と症状の進行に注意する.
・気道緊急の可能性を考慮する.
・病歴,治療効果によっては鑑別疾患も考慮する.
◆病態と診断
A病態
・喉頭と声門下気道の炎症に起因する.
・ウイルス性感染症が多く,生後6か月~3歳に好発する.
・痙性クループも原因の1つであり,アレルギー体質の家族歴をもつ小児に多い可能性がある.
B診断
・犬吠様咳嗽,吸気性喘鳴,嗄声などを特徴とし,病歴と合わせると比較的診断は容易である.
・X線撮影による診断は必須ではない.重症例では検査時の啼泣などにより上気道閉塞,呼吸停止を招く危険がある.医療者は検査に立ち会う.
◆治療方針
本人の外観,バイタルサイン,スコアにより迅速に重症度を診断して治療方針を決定する(Am J Dis Child 132:484-487,1978).
A軽症(スコア0~2)・中等症(スコア3~7)
外来管理が可能だが,中等症では症状悪化が懸念される場合は入院管理を考慮する.
1.内服ステロイド単回投与
デキサメタゾン(0.15mg/kg,最大投与量16mg/回)または,プレドニゾロン(1mg/kg).
2.アドレナリン吸入:中等症以上で適応
0.1%アドレナリン(0.3mL+生理食塩液3mL)(本邦ガイドライン)をネブライザーで吸入.単回の吸入で対応可能な場合が多い.
Px処方例 軽症,体重10kgの場合.
デキサメタゾン(デカドロン薬)錠(0.5mg) 1回1.5mg 1日1回 粉砕して用いる
B重症(スコア8~11)
入院管理を行う.
1.注射によるステロイド単回投与
デキサメタゾン(0.15mg/kg,最大投与量16mg/回)を静注または筋注.
2.アドレナリン吸入
0.1%アドレナリン