頻度 ときどきみる
GL自己炎症性疾患診療ガイドライン2017
ニュートピックス
・近年,新規の遺伝性自己炎症性疾患の発見が相次いでおり,国際免疫学会連合(IUIS)による先天性免疫異常症の疾患分類には,自己炎症性疾患として56の責任遺伝子が登録されている.
治療のポイント
・疾患ごとに有効な治療法が異なるため,正確な診断に基づいた治療方針の決定が必要である.
・遺伝性自己炎症性疾患では自己免疫疾患や免疫不全症を併発することがあり,それぞれの合併症に対する治療も必要となる.
・一部の難治症例では造血幹細胞移植が必要になることがある.
◆病態と診断
A病態
・小児の周期性発熱の原因はさまざまであるが,感染症,周期性好中球減少症や悪性リンパ腫などの悪性疾患を除外し,自己炎症性疾患(AID:autoinflammatory diseases)の診断に至る.
・生体防御機能である免疫に異常をきたす疾患のことを免疫異常症とよぶが,そのなかで主に遺伝的素因に起因し過剰な炎症を惹起する疾患群をAIDとよぶ.責任遺伝子が判明しているものを狭義のAIDとよび,責任遺伝子が明確ではない疾患群を広義のAIDとよぶこともある.
・小児期に診断される最も頻度の高い周期性発熱は,広義のAIDに分類される周期性発熱・アフタ性口内炎・咽頭炎・リンパ節炎(PFAPA:periodic fever,aphthous stomatitis,pharyngitis,and cervical adenopathy)症候群である.
・AIDの基本病態は自己抗体やT細胞反応に起因しない慢性炎症であるが,自己免疫疾患や免疫不全症を併発することもある.
・慢性炎症が制御されない状況が持続すると,AAアミロイドーシスに進展することがある.
B診断
・AIDが疑われた場合,まずは熱型を評価し,発熱時の症候,特に滲出性扁桃炎,関節炎,皮疹の有無などの臨床症状を