診療支援
治療

小児の急性腎炎症候群
acute nephritic syndrome in children
池住洋平
(藤田医科大学准教授・小児科学)

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治療のポイント

・溢水に伴う高血圧を認める間は,入院のうえ床上安静として塩分や水分摂取の管理を厳密に行う.

・利尿期には,脱水予防のため水分や塩分摂取の制限をすみやかに解除する.

・臨床症状が改善すれば,運動など日常生活の制限を早期に解除する.

◆病態と診断

A病態

・急性腎炎症候群は,急性に発症する血尿,蛋白尿,高血圧,糸球体ろ過率の低下およびNaと水分の貯留(浮腫)をきたす症候群である.

・小児では,原因の大半をA群β溶血レンサ球菌(GAS:group A beta-hemolytic streptococcus)の腎炎惹起株感染に起因する急性溶連菌感染後糸球体腎炎(APSGN:acute post streptococcal glomerulonephritis)が占める.

・GASの菌体成分を抗原とした抗原抗体反応により形成された免疫複合体が,腎糸球体に沈着することにより発症する

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