頻度 ときどきみる
治療のポイント
・性腺抑制療法の適応になる例は少ない.特に,女児で6歳以降,男児で9歳以降に発見される例では,性腺抑制療法による最終身長改善効果は期待できない.最終身長改善を目的に受診する例が多いので,十分に説明をして,不要な治療を避けることが重要である.
◆病態と診断
A病態
・暦年齢に比して2次性徴が早期に発来する状態を思春期早発症という.その結果,最終身長の低下をきたすことがある.また,心理社会的問題をきたすこともある.
・ゴナドトロピン依存性思春期早発症とゴナドトロピン非依存性思春期早発症に大別される.
・ゴナドトロピン依存性思春期早発症は,一部少数の視床下部過誤腫に伴うものを除けば,正常思春期が早期に発来した状態と考えてよい.
・ゴナドトロピン非依存性思春期早発症では,卵巣顆粒膜細胞腫,ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)産生腫瘍,クッシング症候群などの器質疾患によるものが多い