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ニュートピックス
・2010~2020年の15報をまとめた1,355眼のメタアナリシスでは,硝子体注射後・白内障術後・硝子体手術後の眼内炎に対する初期治療として,抗菌薬硝子体注射は硝子体手術と比較すると視力改善に関して非劣性であった.硝子体手術は著効する症例もあるが,すべての眼内炎症例で優れるわけではない.硝子体手術で医原性裂孔を生じてしまうと,状況を悪化させてしまう可能性もあり留意する.
治療のポイント
・感染性眼内炎は早期発見,早期治療が最重要であり予後を左右するので,疑われる場合はインフォームド・コンセント後に抗菌薬硝子体注射をすみやかに行う.
・特に白内障手術では,術前の無菌化が不十分であったり,後嚢破損を生じた場合は,眼内炎発症後に重度視機能障害に至ってしまうと法的過失になりうるので注意が必要である.
◆病態と診断
A病態
・感染性眼内炎の原因には,細菌,真菌,ウイルス,寄生虫がある.
・特に,白内障手術などの内眼手術後の細菌性眼内炎(約0.05%に発症)は化膿性であり,混入した菌が密閉性の高い眼球内で急速に増殖し,眼内組織を破壊する重篤な合併症である.
・感染性眼内炎のほとんどは外因性であるが,まれに内因性眼内炎もあり,全身検索が必要な場合もある.
・いずれにせよ,感染性眼内炎の治療を誤ると失明にも至るため,スピード感をもって対処する必要がある.
B診断
・前房水,硝子体液を採取し,鏡検,培養,PCRなどで原因を特定する.細菌性では,コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS:coagulase-negative staphylococci),黄色ブドウ球菌,レンサ球菌の頻度が高い.
・急性眼内炎では,内眼手術や硝子体注射後数日で(多くは1週間以内),前房蓄膿やフィブリン析出など強い炎症反応を認め,視力低下や眼痛を認めることが多い.網膜に閉塞性血管炎や壊死が生じることもある.
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