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GL緑内障診療ガイドライン(第5版)(2022)
ニュートピックス
・プロスタノイドEP2受容体作動薬(以下,EP2受容体作動薬)が2018年に発売され,これまで「プロスタグランジン関連薬」とよばれていた4薬(ラタノプロスト,トラボプロスト,タフルプロスト,ビマトプロスト)は,最新ガイドラインより「プロスタノイドFP受容体作動薬(以下,FP受容体作動薬)」に新分類された.
治療のポイント
・緑内障に対する唯一確実な治療法は眼圧下降である.
・眼圧下降治療は緑内障の病型・病期にかかわらず有効だが,眼圧上昇の原因が治療可能な場合は眼圧下降治療とともに原因治療を行う.
・眼圧下降治療には薬物治療,レーザー治療,手術治療の3つがあり,患者の病型・病期などに応じて適切な治療を選択する.
◆病態と診断
A病態
・緑内障は視神経と視野に特徴的変化を有し,通常,眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患である.視野障害は非可逆的であり,いったん障害された視機能を治療で回復させることはできない.
B診断
・眼圧,隅角,眼底,視野といった検査所見を総合評価し診断する.
・緑内障以外の疾患の可能性(例:脳腫瘍などの球後視路病変)を除外する.
◆治療方針
緑内障治療の目的はQOV(quality of vision)とQOL(quality of life)の維持である.薬物治療では,最小限の薬剤と副作用で,最大の効果が得られる方法を選択する.
眼圧下降治療での目標眼圧は病期に応じて設定する〔原発開放隅角緑内障(POAG:primary open angle glaucoma)では初期19mmHg以下,中期16mmHg以下,後期14mmHg以下,もしくは無治療時眼圧から20~30%の眼圧下降など〕.眼圧下降率は患者ごとに危険因子(病型・病期,無治療