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GL緑内障診療ガイドライン(第5版)(2022)
ニュートピックス
・低侵襲にろ過手術が実施できる眼内ドレーンとして,プリザーフロマイクロシャントが保険収載された.現在,手術成績の評価中である.
治療のポイント
・生涯にわたる視機能維持を目指した目標眼圧を設定する.
・病期,病型,年齢などにより薬物療法,レーザー手術,観血的手術治療による眼圧下降をはかる.
・眼圧を十分に下降させることで,進行を抑制することが可能である.
・薬物療法開始前あるいは点眼薬アレルギー例に,レーザー手術による隅角形成術を実施することがある.
・観血的手術治療として流出路再建術,より目標眼圧が低い例にはろ過手術,ろ過手術無効例にはロングチューブシャント術を実施する.
・手術が困難な例には,マイクロパルス毛様体光凝固術を実施することがある.
◆病態と診断
「緑内障(薬物療法)」の項(→)を参照.
◆治療方針
目標眼圧は,①病期が後期,②無治療時眼圧が低値,③年齢が低い,④視野進行が早い,⑤家族歴があるなどの危険因子が多く該当するほど低く設定する.
A原発開放隅角緑内障(正常眼圧緑内障,高眼圧症を含む)
薬物療法での眼圧下降が不十分な場合,薬物療法での視野進行が顕著な場合,点眼薬アレルギーにより十分な眼圧下降が得られない場合に手術治療を選択する.目標眼圧が10mmHg半ばの場合には,マイクロフック,カフークデュアルブレード,ナイロン糸などを用いた流出路再建術〔眼内法による線維柱帯切開術(トラベクロトミー)〕を,10mmHg前半の場合にはマイトマイシンCなどの代謝拮抗薬を用いたろ過手術〔線維柱帯切除術(トラベクレクトミー),エクスプレス緑内障フィルトレーションデバイスを用いたシャント術〕を,複数回手術例など難治例や術後管理困難例などにはバルベルト緑内障インプラントやアーメド緑内障バルブなどプレートのあるインプラント