頻度 よくみる
治療のポイント
・激しい耳痛を主訴とする急性鼓膜炎と,持続する耳漏を主訴とする慢性鼓膜炎に分類される.
・急性鼓膜炎は急性中耳炎と関連し,慢性鼓膜炎は外耳の機能障害に関連すると考えられているが,詳しい病態は解明されていない.
・両者とも鼓膜の炎症が特徴であるが,臨床症状や治療方針が異なり,顕微鏡や内視鏡を用いた鼓膜の観察が重要となる.
◆病態と診断
A急性鼓膜炎
・鼓膜表面,時に外耳道に及ぶ黄褐色の内容液を伴う水疱形成を特徴とし,水疱性鼓膜炎ともよばれる.
・片側性がほとんどで,高度な耳痛を伴うことが多く,発症早期に大多数が医療機関を受診する.
・約半数に高音域の感音難聴を伴い,2/3程度は回復するとされる.
・原因に諸説あるが急性中耳炎を伴うことが多く,水疱内容液の細菌検査により肺炎球菌やインフルエンザ桿菌などの急性中耳炎の起因菌が検出されることから,急性中耳炎の一亜型と考えられている.鼻か
関連リンク