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GLメニエール病・遅発性内リンパ水腫診療ガイドライン2020年版 第2版
治療のポイント
・めまい症状を主体とした発作期には,症状の軽減と内耳障害の軽減を目指した治療を行う.
・間欠期や発症初期の時点から,生活指導を含む積極的な治療を行い,疾患の進行や両側化の予防を目指す.
◆病態と診断
A病態
・メニエール病の病態は内リンパ水腫であり,難聴・耳鳴・耳閉感などの聴覚症状を伴うめまい発作を反復する疾患である.
・内耳の内リンパ産生過剰または吸収障害による内リンパ腔体積の増大が症状発現の誘因とされ,ストレスによる抗利尿ホルモンの分泌増加の関与が指摘されている.
B診断
・10分から数時間のめまい発作および聴覚症状があればメニエール病確実例と診断する.聴覚症状のある耳に造影MRI検査で内リンパ水腫が確認された場合は確定診断例とされる.
・メニエール病非定型例として,「聴覚症状の増悪・軽快を反復するがめまい発作は伴わない」蝸牛型と,「メニエール病確実例に類似しためまい発作を反復するが聴覚症状の変動を伴わない」前庭型が存在する.
・低音域の聴力低下を呈する急性低音障害型感音難聴は類似した疾患と考えられている.
・各種内リンパ水腫推定検査と造影MRI内リンパ水腫所見との相関が指摘されている.
◆治療方針
A急性期
聴覚症状よりめまい発作への対応が主体となることが多い.
1.薬物療法
a.内服が不能な場合
Px処方例 下記1)を用い,悪心・嘔吐がある場合は2)と3)を併用する.
1)炭酸水素ナトリウム(メイロン薬)注(7%) 1回125~250mL 1日1回 点滴静注
2)メトクロプラミド(プリンペラン薬)注 1回10mg 1日1~2回 筋注または静注
3)ヒドロキシジン(アタラックス-P薬)注 1回25mg 必要に応じて4~6時間ごと 筋注保外
Px使い分けのポイント
・2),3)の適応は悪心,嘔吐.
・3)のみ
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