頻度 ときどきみる
治療のポイント
・症状は嗄声のみであるため,腫瘍などの鑑別疾患除外が必要である.
・保存的治療抵抗性であれば経口的手術の適応となる.
◆病態と診断
A病態
・声の酷使や感冒などをきっかけとした,声帯粘膜固有層の微小血管破綻が誘因となる.
・声帯全長の前1/3に相当する部位の隆起を伴い,嗄声を生じる.
・通常疼痛などは伴わず,疼痛のある際は急性喉頭炎などの感染症を疑う.
B診断
・通常一側性の軟らかい隆起性病変である.初期は赤色調,血液が吸収されると白色調となる.有茎性・広基性とさまざまな形態をとる.両側性では左右非対称のことが多い.
・喉頭内視鏡検査を行い診断する.上部消化管内視鏡検査や気管支鏡検査などの際にも観察が可能である.
・声帯粘膜の振動不良により嗄声を生じるが,通常光では高速振動する声帯上皮の動きを観察できない.高速で断続光を発生するストロボコピーを用いて,微細な振動の不良や健側上皮