診療支援
治療

鼻出血
epistaxis
吉川 衛
(東邦大学教授・耳鼻咽喉科学)

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治療のポイント

・鼻出血は,一般診療の場で遭遇する機会のある症候であり,夜間には救急外来での対応が求められることもある.

・いかなる診療科の医師であっても,基本的な止血法について理解したうえで初期対応を行う必要がある.

・鼻出血の約70~90%が前方出血とよばれるキーゼルバッハ部位からの出血であるため,前鼻孔からの出血であれば用手圧迫を試みる.

・それでも止血しない場合は,耳鼻咽喉科専門医への紹介が必要である.

◆病態と診断

A病態

・鼻出血は,原因疾患のない本態性鼻出血と,オスラー病(遺伝性出血性末梢血管拡張症)などの原因疾患や,何らかの誘因(抗凝固薬や抗血小板薬の服用など)が存在する2次性鼻出血に分類される.

・鼻出血の約70~90%がキーゼルバッハ部位からの出血だが,鼻腔の後方(蝶口蓋動脈領域)や上方(篩骨動脈領域)からの出血もある.

B診断

・まず問診により,本態性または2次性のどちらの

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