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GL高血圧治療ガイドライン2019
GL抗血栓療法患者の抜歯に関するガイドライン2020年版
GL感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2017年改訂版)
GL歯周病患者における抗菌薬適正使用のガイドライン 2020
ニュートピックス
・2022年8月「公知申請に係る事前評価が終了した医薬品の保険上の取扱いについて(厚生労働省 保医発0804第2号)」によって,歯科用メピバカインカートリッジ製剤(スキャンドネストカートリッジ3%)の伝達麻酔での使用が保険適用となった.循環器疾患患者の伝達麻酔で血管収縮薬の影響を考慮することなく使用できる唯一の歯科用局所麻酔薬である.
治療のポイント
・日本における高血圧症の有病率は増加傾向にあり,7割以上の患者が未治療またはコントロール不良の状態であり,患者に自覚のないまま動脈硬化が進行している可能性が高い.
・歯科治療に伴うストレス(疼痛,不安,血管収縮薬)は,心機能を急激に亢進させるため,心血管系偶発症の発症リスクは高い.経時的な生体モニタ監視下での治療が推奨される.
・抗血栓療法患者の観血処置・手術は,抗血栓薬継続下に行うことが推奨される.
・抜歯,歯周手術に限らず,術野からの感染による影響が予想される場合には,抗菌薬の予防投与が推奨される.
◆病態
・循環器疾患とは,高血圧,虚血性心疾患,心不全などの心血管系に由来する疾患であり,心疾患は日本における死因の第2位でもある.喫煙,食事,飲酒,肥満などの生活習慣病との関連も深い.
◆治療方針
術前の医療面接で,基礎疾患の有無と種類,服薬内容,生活習慣,ADLなどを確認する.また,主治医から病状,経過,検査結果などの情報を入手し,患者予備力を考慮した治療方針を決定する.
A高血圧症患者
降圧薬の服用は継続させ,経時的モニタリング下での治療が望ましい.歯科用局所麻酔薬のリドカイン製剤に含有されて