GL認知症診療ガイドライン2017
治療のポイント
・アルツハイマー病では,異常蛋白の蓄積に伴い神経細胞脱落が生じる.病変は側頭葉内側部から始まり,最終的には大脳皮質全体に広がっていく.その結果として,記憶障害,失語,失行などの中核症状が引き起こされる.
・アルツハイマー病は,中等度に進行すると,認知症の行動・心理症状(BPSD:behavioral and psychological symptoms of dementia)が目立つようになるが,環境調整と適切なケアで軽減することができる.
・アルツハイマー病の軌道は,比較的一定のパターンを示しており,FAST(Functional Assessment Staging)in Alzheimer's Diseaseのステージが参考になる.
Aアルツハイマー病とは
記憶障害や見当識障害といった認知機能の低下などの症状を認知症とよぶ.認知症を引き起こ