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GL静脈経腸栄養ガイドライン第3版(2013)
治療のポイント
・入院と在宅の違い:在宅では本人,家族が経腸栄養の準備やチューブの接続,衛生管理などの手技を習得する必要が生じうる.病院内での指導はもちろん,マニュアル化や動画を使った方法も有効である.
・嚥下評価(経口摂取が可能かどうか)と栄養評価(病状の変化を反映)を随時行いつつ,在宅経管栄養管理方針を決める.
・適切な栄養剤(半消化態,消化態,成分栄養など)を選択する.
・患者家族,多職種連携のもと,トラブル(誤嚥性肺炎,穿刺部の発赤,胃瘻交換時の事故など)を最小限に抑えて胃瘻管理を継続する.
◆病態と診断
・何らかの病態で経口摂取が不十分な状態があれば,経腸栄養の適応となりうる.また,経管栄養下でも経口摂取が可能かどうか継続的な嚥下機能評価* も必要である.
・経腸栄養を投与するにあたっては,その患者の状態において,どれくらいの栄養や水分が必要なのか,栄養評価** を行うことが重要である.さらに,経腸栄養下で,電解質異常や臓器(肝機能など)障害をきたす場合もあり,定期的な血液生化学検査なども必要となる.
*嚥下機能評価:反復唾液嚥下テスト,改訂水飲みテスト,フードテスト,嚥下誘発テストなどを用いて,嚥下機能のスクリーニングを実施する.スクリーニングで誤嚥のリスクありと診断された患者は,嚥下造影検査,嚥下内視鏡検査,咳反射テストなどで詳細に評価する.
**栄養評価:栄養障害の種類と程度の診断,栄養療法の内容の決定・修正を目的とする.さまざまな栄養評価ツールがあるが,例えば,主観的包括的評価(SGA:subjective global assessment)では,病歴と身体所見の評価を行い,「良好」「中等度低栄養」「高度低栄養」の3段階にスケーリングする.
◆治療方針
A投与経路(アクセス)
経管栄養法は,経鼻アクセス,消化管瘻