適応
1前立腺癌
2閉経前乳癌
注意2開始にあたり,原則としてホルモン受容体発現の有無を確認し,陰性と判断された場合は使用しない
用法
1筒(ゴセレリンとして10.8mg)を前腹部に12~13週毎に1回皮下
禁忌
1)妊婦・妊娠
2)授乳婦
3)過敏症(本剤,LH-RH作動薬)
注意
〈基本〉
①開始初期
a)男性では血中テストステロンの,女性では血中エストラジオールの一過性の上昇を認め,この時期に骨性疼痛の一過性増悪→対症療法
b)前立腺癌患者において尿管閉塞或いは脊髄圧迫の恐れ→慎重に.開始1カ月間は十分に観察し症状が現れた場合は処置
②内分泌療法剤であり,癌に対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師の下で,適切と判断される患者についてのみ使用
③投与部位周囲から出血し,出血性ショックに至った例あり→血管損傷の可能性が少ない部位を選択
〈適用上〉
①必要に応じて投与部位に予め局所麻酔
②プランジャーを本体内部までしっかり押し込み,デポ剤の注入と注射針カバーを作動させる
③注射針カバーが十分に作動しない場合は,針刺しに注意しながら抜く
④使用後は感染防止に留意,安全な方法で処分
⑤血管損傷の可能性が少ない部位を慎重に選択
⑥投与部位は毎回変更し,同一部位への反復投与は行わない
〈その他〉
①抗腫瘍効果が得られず進行を認めた場合→集学的治療法等を考慮
②外国にて子宮筋腫患者で,筋腫変性によると考えられる子宮出血,下腹痛等の報告
③稀に治療中に閉経し,中止しても月経が回復しないことあり
患者背景
〈合併・既往〉
①易出血状態(抗凝固剤を投与している)(投与の可否を慎重に判断.投与部位周囲から出血し,出血性ショックの報告)
②1脊髄圧迫又は尿管閉塞による腎障害を既に呈しているか,新たに発生する恐れのある前立腺癌患者
③2骨転移(投与初期に,高Ca血症が現れることがある)
〈生殖〉治療に際して妊娠していないことを確認.治療中はホルモン剤