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13 急性膵炎

急性膵炎の原因

男性ではアルコールが最多原因のため中年に多く,急性膵炎自体も男性で女性の2倍多い.女性では胆石性・特発性が多いため,高齢者で多い.

他の原因としては解剖学的な要因の他に,内因性3つ(高中性脂肪血症>1,000mg/dL,副甲状腺機能亢進症(高Ca血症),自己免疫性膵炎),外因性3つ(薬剤,感染症,医療処置)が原因としてあげられるが頻度は低い.

薬剤では抗癌剤・免疫抑制剤・エストロゲン・解熱鎮痛薬・利尿剤・抗菌薬が,感染症ではムンプスウイルスが原因としてよく知られている.

日本における急性膵炎の原因

アルコール性膵炎は大量飲酒後12-48時間後に発症し,3-7日間持続する.年に2-4回繰り返し,頻度は増加するが疼痛は軽減し,4-5年で非代償期となるのが典型的である.

高齢者では胆石が原因の65-75%を占める〔Gastroenterol Clin North Am. 2001 Jun; 30(2): 531-45〕.

▶胆石保有者の急性膵炎発症率は男性8.4-20.6/1,000人年(RR=14-35),女性4.0-8.4/1,000人年(RR=12-25)であり,胆囊摘出術によって急性膵炎の発症率は男性で1/7-1/19,女性で1/6-1/12へ減少する〔Mayo Clin Proc. 1988 May; 63(5): 466-73〕.

それ以外にはウイルス(ムンプス,コクサッキー,B型肝炎,CMV,VZV,HSV-2,HIV),細菌(MycoplasmaLegionellaLeptospiraSalmonella),真菌(Aspergillus),寄生虫(ToxoplasmaCryptosporidium,回虫),低体温〔J Clin Pathol. 1982 Nov; 35(11): 1244-8〕,虚血(循環不全)の報告例がある.

薬剤としては

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