低K血症・高K血症
●低K血症・高K血症は特に入院患者では高頻度に見られ,時として致死的な不整脈を来す.
●高K血症ではT波増高・P波消失が,低K血症ではQT延長・U波出現・心室性不整脈が心電図所見として重要であるが,心電図が正常でも血清K値の異常は否定できない.
●低K血症は多尿・イレウス・筋力低下や横紋筋融解症も来す.
●頻度
▶高K血症は入院患者の1.4-10%で見られ,K>6.0mEq/Lなのは1.4%であると報告されている〔Postgrad Med J. 2001 Dec; 77(914): 759-64〕.
▶低K血症(<3.6mEq/L)は入院患者の20%,うち1/4がK<3.0mEq/Lであったとの報告がある〔Postgrad Med J. 1986 Mar; 62(725): 187-91〕.
●心電図異常
▶高K血症と心電図
□高K血症の診断において心電図の感度は35-43%,特異度85-86%である〔Tex Heart Inst J. 2006; 33(1): 40-7〕.
▶6.0mEq/L≦K<6.8mEq/Lでは43%で,K≧6.8mEq/Lでは55%で高K血症を疑う心電図所見〔接合部調律(4%),1度房室ブロック(11%),T波増高(36%),QRS延長(8%)〕が認められる〔Arch Intern Med. 1998 Apr 27; 158(8): 917-24〕が,K≧7.5mEq/Lでも心電図変化が認められないこともある.ただしその場合,致死的不整脈が起こりやすいかどうかは不明である.
▶T波増高はQRS波から基線に一度戻った後に幅が狭い高電位のT波を認めることが特徴である(健常若年男性によく認められる10mm以上のT波はQRSからT波が連続して移行する).
□P波が消失していれば,緊急性が高く迅速に対処すべきである.
▶低K血症と心電図
□T波平低で100-200
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